さーて、最も安全な解熱剤は何でしょう? と言っても無理な質問ですよね。 それはちょっと難しいのですが、世界中の小児科で研究されて、もう決まってるんですよ。正解は、アセトアミノフェン というややこしい名前ですが、各社から製剤として勝手に名前を付けて出しているので カロナール とかアルピニー とか呼ばれていますが同じ物です。 座薬と飲む物、錠剤、粉、水剤、いろいろあります。
このように、各剤型が揃っている物は助かりますね。 小児科では、年齢が異なりますので、いろんな形の物があると助かります。 しかし、物によっては各種出そろわない場合もありますが、それは元の薬の性質によりますね。 散剤 (粉薬の事) にするとすごーく苦くて、苦さを隠せない場合もあります。 錠剤は、薬を固めて回りをくるんであるのでごまかせますが、口の中に入れて、水と一緒にずっと飲まないでいれば化けの皮が剥がれて、強烈に苦くなります。 それに懲りて、二度と錠剤は飲めないというお子さんも出てきてしまうので、要注意ですよ。
もし、この薬にアレルギーで飲めない場合、2番目に安全とされているのは、イブプロフェン という物です。 ホラ、どっかで聞いた事あるでしょう? これは、一番目に安全とされている物よりやや解熱効果が良いのですが、小児科では一番に使う物ではありません。 私達は、いろんな研究により一番良いとされている物を、 first choice と言います。 抗生剤でも何でも大体決まっています。 安全性、有効性、使いやすい剤形、いろいろ考えてきまってるんです。
昔、外人の方が座薬の解熱剤を小さい子に飲ませてしまって、大層驚きました。その方は、ママに頼まれて見ていた叔父さんに当たる男性でしたが、座薬って知らなかったんですね。 よくまあ、飲んだとビックリしましたが、喉につかえなくて良かったです。 飲んでも、異常な事態にはなりませんが、ママも驚き、慌てて泣いてしまいました。 お子さんもママもかわいそうでしたね。