院長ブログBLOG

アデノウィルスが流行ってきました。

アデノウィルスと言う名前は、あまり有名ではないのですが、結構患者さんは多いですね。今年も4月頃から少しずつ流行って来ました。 アデノと言ってもその一族は多く、51種類にも分類されています。

咽頭炎、結膜炎、発熱 をもたらす物が ”咽頭結膜熱” と言う病名で呼ばれ、犯人が アデノウィルス です。 このウィルスは結構強力でして、熱もかなり高くでますね。 目もやられると、目脂が出て真っ赤になりますし、プールの水を介して感染するので ”プール熱” と呼ばれる事もあります。 今は、プールの水質も規制が厳しいのでウィルス感染が起こらないように管理されていると思いますが、その為、私はプールに行くと目が真っ赤に充血してしまいます。殺菌に使う塩素が強力で空気中にも一杯なんだと思います。

さて、このアデノに感染すると扁桃炎等も起こしますが、見た目が酷く、膿様の浸出物が扁桃表面に付着して、細菌感染と間違えられる事もあります。 抗生剤を飲んでも治りませんので、そこで区別できますけれどね。その前に大体見れば判ります。 検査もできますが、喉をグイグイ擦るのであまり良い感じとは言えませんし、感度もあまり良く無いです。血液に依る検査は、ヒマが懸るので結果が帰って来るのは治ってからですから、間に合いません。とても重症で入院するような例だとこのような検査も有効かと思いますが。

又、出血性膀胱炎を起こしたり、下痢をしたり、有名なロタウィルスと紛らわしい事もあると医学書に書いてあります。私は今まで、出血性膀胱炎で、アデノに依ると診断した事はありませんが、大体出血性膀胱炎はウィルス感染が主ですから、中にはアデノも混じっていたかもしれません。 しかし、アデノには特効薬が有りませんので、無理に決める必要も無く治りますから大丈夫です。

治療は特別な物は無く、熱に対しては解熱剤、 脱水したら補液、等対症的な物が主です。 でもこれを読んで、放って置いても良い、と勘違いしないで下さいね。子供では、サポートしてあげるのが大切です。必要に応じて治療するというのが大事でしょうね。

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