院長ブログBLOG

私の悩み その1

私が小児科医になってから長い間悩んでいる事があるんですけど、今日はその件について書く事にします。

先日、10歳位のお子さんで、一切、薬を飲まないというケースがありました。 錠剤、粉、全てダメで、飲むように話しても、吐き出してしまう、というのです。 そのママも困っているようで、 「どうしたら良いでしょうか?」 と聞かれました。 この問題は、私は長い間悩んでいるんですけれど、答えを短時間で伝えるのは難しいです。単に薬だけの問題では無いからです。ここで 「それは困りましたねー」とか言って、知らんふりで済ませるのは無難ですがママも困っているようでしたし、質問もされたので私の思っている事をお話ししました。

ここには、親が子に何を伝え、教えていくか、という重大な問題が隠れていますね。 薬を飲む、という単純な事の中に親子の関係が透けて見えます。 親は子に人生のいろんな事を教えなければなりませんし、あくまでも 親が子を教え導くという関係が基本だと思います。 成人した子供ではなく小さなお子さんの話ですからね。 薬は飲まなければならない(又は飲んだ方が良い)と教えなければなりません。「イヤ」 とお子さんが言ったらそれでお終い、ではお子さんにママが従っている事になりますね。 いろんな問題が起きた時にいつでもお子さんの言う通りですか? それでは、情け無いと思いますけどね。親はいろんな事を教え導く存在ではないでしょうか?  自分の人生を考えてみて下さい。全て思い通り、万々歳の人生ですか? そんな人はいないんじゃないですか。しっかりいろんな事を教えて人生に備えて教育してもらわないと後で困った事になるんじゃないですか。これは老婆心でしょうかね。

私の答えは、まず、親が子共にへらへら笑いながら、「飲んで頂戴」 と頼むのではなく、 「飲みなさい」 としっかり毅然とした態度で言う事という物でした。 ここでやたらと親が威張るとか、暴力を振るうと誤解しないで下さいね。 基本的な関係に付いて言っているんですからね。作家の女性が、「親が親として機能していない」 と言っていましたが そういう事の無いようにしっかりと育てて欲しいと思いますが、要らぬお世話ですか?こういう事を言うとイヤがられて嫌われると判っているんですが、親が親として機能して貰わないと個人的にも社会的にも困るのではないでしょうか?

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